聖クルアーン
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本章名は,第1節の語にちなみ名付けられる。最初期の啓示の一つである。自然と変化に富む人間の行路とを,対照することによって,理解ある者に対し,来世への信仰が力強く教えられる。人間の歴史や伝統などの教訓は,心の広いものは滅びず,高慢なものは低下されることを示す。道徳の向上や精神的真実を求める場合,歴史はとかく特殊な見地で書かれて伝説の方が優ることがある。人間は自分の好運の道に背いて,群がりがちである。心の中の世俗的すべてのとらわれが無くなったとき,初めて真の栄光と偉大な御力を知り,アッラーの至愛と限りなき善美を悟ることになろう。これこそ天国の園の光である。
慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。  
暁において,1
   
10夜において,2
   
偶数と奇数において,3
   
去り行く夜において(誓う)。4
   
本当にこの中には,分別ある者への誓いがあるではないか。5
   
あなたはアッラーが,如何にアード(の民)を処分されたかを考えないのか,6
   
円柱の並び立つイラム(の都)のことを,7
   
これに類するものは,その国において造られたことはなかったではないか。8
   
また谷間の岩に彫り込んだサムード(の民)や,9
   
杭のぬしフィルアゥン(のことを考えないのか)。10
   
これらは(凡て),その国において法を越えた者たちで,11
   
その地に邪悪を増長させた。12
   
それであなたの主は,懲罰の鞭をかれらに浴びせかけられた。13
   
本当にあなたの主は監視の塔におられる。14
   
さて人間は主が御試みのため,寛大にされ恵みを授けられると,かれは,「主は,わたしに寛大であられます。」と言う。15
   
だがかれを試み,御恵みを減らされる時は,「主はわたしを,軽視なさいます。」と言う。16
   
断じていけない。いや,あなたがたは孤児を大切にしない。17
   
また貧者を養うために,互いに励まさない。18
   
しかも遺産を取り上げ,強欲を欲しい尽にする。19
   
またあなたがたは,法外な愛で財産を愛する。20
   
断じていけない。大地が粉々に砕かれる時,21
   
主は,列また列の天使(を従え),来臨なされる。22
   
また地獄は,その日(目の当たりに)運ばれ,その日人間は反省するであろう。だが反省したとて,どうしてかれのためになろうか。23
   
かれは,「ああ,わたしの(将来の)生命のために,(善行を)貯えていたならば。」と言う。24
   
それでその日,誰もなし得ない程の懲罰を加えられ,25
   
また誰も拘束し得ない程に束縛なされる。26
   
(善行を積んだ魂に言われるであろう。)おお,安心,大悟している魂よ,27
   
あなたの主に返れ,歓喜し御満悦にあずかって。28
   
あなたは,わがしもべの中に入れ。29
   
あなたは,わが楽園に入れ。30